涼香残クレ住宅ローンと言う言葉を聞いたんですが……。



ついに車だけでなく住宅も残クレで買う時代が来たんですか?



住宅価格が恐ろしいくらいに高騰しています。



そんな中、国交省が今後、残価設定型住宅ローンを普及させていくそうです。



そこで今回は、残価設定型住宅ローンについて解説していきます。
- 国の発表について
- 既存の残価設定型住宅ローンについて
- 新制度の概要
国が残価設定型住宅ローンを後押し
令和7年12月23日、国土交通省は残価設定型住宅ローンの供給促進のための住宅融資保険制度の創設を発表しました。
このプレスリリースにおいては、残価設定型住宅ローンを以下のように定義しています。
残価設定型住宅ローンとは
借入れ金額から将来的な住宅の価値(残価)を差し引いた金額を返済する仕組みにより、月々の返済負担を軽減することができる住宅ローン。
今回の報道発表を要約すると、以下のような内容になります。
- 住宅価格の高騰により、返済期間の長期化と返済不安が課題
- 返済負担の軽減が可能なローンの促進が必要
- 残価に差額が生じても追加請求のない住宅金融支援機構(JHF)の新たな保険制度を創設



住宅価格高すぎて普通のローンで返すの大変そうですもんね。
残価設定型住宅ローンとは
あまり一般的には普及はしていませんが、残価設定型住宅ローン自体は新しい制度ではなく、以前より存在しているものです。
残価設定型ローンと一括りにされがちですが、仕組みとしては大きく分けて2つあります。
一般的によく言われるのが一般社団法人 移住・住みかえ支援機構(JTI)が提供する残価設定型住宅ローンで、その他にSBI新生銀行が提供しているパワーセレクトのような銀行独自のものがあります。
説明の都合上、前者をJTI型、後者を支払額軽減型とこの記事上では扱います。
JTI型
一般社団法人 移住・住みかえ支援機構(JTI)が提供しているタイプのローンです。
このローンは当初の月々の返済額は通常のローンと変わず、特段安くなる訳ではありません。
特徴は①返済額軽減オプション、②買取オプションの2つのオプションがあることです。
ローン契約時、借入金額や期間、ローンの条件などによって残価設定月というものがJTIにより定められます。
残価設定月は、JTIが保証する残価がローン残高を上回るタイミングです。
残価設定月以降は、今まで通りローンの返済を続けるほか、これらの2つのオプションを使う権利が与えられます。
| 返済額軽減オプション | 住宅ローンの残高がJTIの保証する残価まで減ったあと(残価設定月)、このオプションを行使すると、ローンが新型リバースモーゲージに転換されます。 転換後は、JTIの保証する残価以上に原本を返さないことにより、月返済額が大幅に圧縮されます。これにより、収入が減少する老後の返済負担を抑えることができます。もちろん、余裕があれば、追加で返すことは自由です。 |
|---|---|
| 買取オプション | 新型リバースモーゲージに転換後は、住宅売却の際、ローン残高で家を買い取ってもらえます。オーバーローン(家を売っても、ローン残高が残ってしまう状態)を防げるため、住み替えや債務者死亡による一括返済などの状況で活用可能。オプションを使わず、市場で売却することも可能です。 |
リバースモーゲージとは、持ち家を担保にお金を借り、契約者の死亡後に担保を売却して返済する制度です。
この制度は、収入が安定している現役時代は通常通りに返済をしていく必要がありますが、収入が減るリタイア期(60代頃)の負担額を半分以下程度に減らすことができます。
さらに50年目以降になると、金利だけの支払いとなり、さらに負担は減ります。
この制度は、今の支払いを楽にしたいという人にはあまり向きません。
一方で、老後の負担を減らしたいという人には向いています。
なお、この制度を利用するためには、以下の3点を満たす必要があります。
- JTIに認定された残価導入企業(ハウスメーカーや工務店)で建てた住宅
- 認定長期優良住宅であること
- 長期メンテナンスプログラムの実施
支払額軽減型
借入額から将来的な住宅の価値(残価)を差し引いた金額を月々返済することで、負担を軽減するタイプのローンです。
ローン返済最終回に①売却により完済、②自己負担により完済、③期間延長、④リバースモーゲージの4つの選択肢があります。
一言で言ってしまうとアルファードで有名な残クレの住宅ローン版と考えていただくとイメージしやすいと思います。
残クレについては以下の記事で解説していますので、興味のある方はご覧ください。





JTIのはいわゆる残クレとはだいぶ違うんですね
新制度の概要
令和7年12月23日時点では大まかな概要が示されたのみで、具体的な制度の内容まではわかりませんが、いわゆるアルファード等で使われる残クレと同じタイプのローンようです。
車で残クレを使用した場合、使用の仕方によって買取額が残価を下回り、清算金を支払わなければならないと上記の記事で解説しました。
しかし今回国が推し進める本制度では、JHFが新たな保険制度を創設し、残価の未回収リスクを引き受けるとのことです。
そのため、利用者に差額の請求が行くことがなく、民間金融機関も未回収リスクを回避することができるというものです。
一般社団法人 移住・住みかえ支援機構 代表理事であり、JTIの残価設定型ローンを作った大垣 尚司 氏がYouTubeでJTIとJHFの残価設定型住宅ローンの比較動画を出していました。



新しい商品を提供する金融機関が増えそうですね
住宅ローンの新たな選択肢
詳細がわからないので現時点でこの制度が良いとも悪いとも言いようがないのですが、住宅価格が高騰しすぎでローンを組むのにも一苦労する現状ですので、使える制度が増えるということは、多様なライフプランに対応できる可能性が広まり、悪いことではないと思います。
しかし、国が進めていく以上、今後新たに住宅を取得しようとする方々に対して、不動産業界全体で残価設定型ローンが提案される機会が増えていくことになることが予想されます。
その際、車の残クレで問題になったように、制度の中身を理解せずに、勧められるがままに契約してしまい、後から後悔する人が出てくることは否定できません。
JTI、JHFいずれの残価設定型ローンも一般的な住宅ローンと比較して仕組みが複雑であり、契約内容の理解が必要不可欠です。
本ブログでも引き続き動向を追い、記事を更新していきますので、利用を検討している方の理解の一助になれば幸いです。
自分には残価設定型住宅ローンと一般的なローンどちらが合っているのか等のご相談に乗ることも可能ですので、お問い合わせよりご連絡ください。



新たな選択肢として普及するのでしょうか。









