お金の勉強って大事なのはわかるけどどうやってやればいいんでしょうか?
やらなきゃと思っていても何から始めたらいいのかわかりません…
2022年から高校では金融教育が義務化されましたが、大人は自発的に動かないとお金の勉強をする機会がありません。
お金の勉強に興味はあるけどまずどうしたら…?という方のために今回はお金の勉強入門編についてご説明していきます。
金融教育の推進
2022年から高校で金融教育の義務化が始まりました。
その背景には、日本人の金融リテラシーの低さ、成人年齢引下げに伴う若年層の金銭トラブル、資産運用の推進等があります。
これからの若者はこういった教育を受けて社会に出ていくわけですが、今社会に出ている私たちは、自ら動かない限り、こういったことを改めて学ぶ機会がありません。
かといって、作業で忙しいクリエイターである皆さんがいざお金のことを学ぼうと思っても、右も左もわからない状態では、何から始めればよいかわかりません。
そこでこの記事では、お金の勉強の第一歩として、何をしていくのが良いのか説明していきます。
結構充実してる金融庁の教材
まず最初におすすめするのは、金融庁の教材を見てみることです。
金融庁では、様々な世代向けに、金融教育の教材を配布しています。
金融庁の利用者の方のページの中段あたりにパンフレット・教材等についてまとめられていますので、どれか試しに見てみてください。
一番最初に読むならば「基礎から学べる金融ガイド」が良いと思います。
これだけでは学習としては不十分ですが、イラストも多くて見やすいですし、お金についてどの様なことを考えていかねばならないのか網羅されていますので、全体像を掴むには十分です。
ちなみに小学生向け教材には、「うんこドリル×金融庁」コラボの攻めた教材もあります。
金融庁というお堅いイメージのある官庁がこういった教材を出しているということから、国がどれだけ早期からの金融教育を重要と考えているのかを伺うことが出来ます。
国が出しているものだからもっと堅苦しいのを想像していましたが、イラストも多くて、思った以上に読みやすいです!
FPはお金の勉強の入門におすすめ
金融庁の教材を見て、もう少し深堀してみたいなと思った方は、FPのテキストを読んでみるのがおすすめです。
自分がFPの資格を持っているからというのもあり、手前味噌になってしまいますが、FPで学ぶ内容はお金の勉強の入門にベストだと思います。
1級~3級までありますが、とりあえず3級のテキストで十分です。
本屋さんの資格コーナーに行けば、色々な本があります。
しっかり文字で説明されているもの、イラストや図が多いものなど本によって特徴は異なりますので、パラパラ捲ってみて、自分が読めそうなものを探してみましょう。
FPの資格は、①ライフプランニングと資金計画、②リスク管理、③金融資産運用、④タックスプランニング、⑤不動産、⑥相続・事業継承の6分野を広く浅く学びます。
どの分野も、人が生きていくにあたって切り離せない内容ですが、これらをすべてを体系的に学ぶことができます。
この中でも①~④の4分野については、クリエイター、特にフリーランスの方には生活に密接に関係するものも多く、是非とも学んでいただきたい知識です。
分野 | 学べる内容 |
ライフプランニングと資金計画 | ライフプランニング、社会保険、公的年金等 |
リスク管理 | 生命保険、損害保険等 |
金融資産運用 | 投資信託、債券投資、株式投資等 |
タックスプランニング | 所得税、住民税等 |
不動産 | 不動産取引、賃貸等 |
相続・事業継承 | 贈与、相続等 |
それではここから、各分野がどの様に生活に活かせるのか説明していきます。
ライフプランニングと資金計画
この分野では、ライフプランニング、社会保険、公的年金等について学ぶことが出来ます。
クリエイターの大きな関心事項の一つとして、フリーランスになることではないでしょうか。
フリーランスになるにあたり、やはり気になるのはお金のことです。
「フリーランスになって生活していけるのか」、「会社員とは社会保険がどの様に違うのか」、「年金対策はどうすれば良いのか」といった悩みも出てくるはずです。
そんな時、この分野の知識が役立ちます。
「この先のライフイベントを見据えて、フリーランスになる時期を計画する」、「どの様な保障が受けられるのか」、「老後資金がいくら用意しなければならないのか」といったことを自ら考えることができます。
下記に関連する記事を載せておきますが、FPの知識を軽く入れておくだけでも、読んだ際の理解度が高まるのではないでしょうか。
リスク管理
この分野では、生命保険、損害保険等について学ぶことが出来ます。
ライフプランニングと資金計画でも触れましたが、フリーランスの場合、社会保険が会社員と異なりますので、もしもの際、補償が不足するものも出てきます。
この分野を学んでおくことで、自分にどういった補償が足りないのか、それを補うため、何を選択しなければならないのかを判断することができます。
下記の記事では、クリエイターにはどんな保険が足りていないのかについて解説しています。
各保険の性質を理解したうえで読んでいただくと、より一層理解できるはずです。
金融資産運用
この分野では、投資信託、債券投資、株式投資等について学ぶことが出来ます。
老後2,000万円や新NISA等もあり、世間は投資ブームとなっています。
しかし、何も理解せずに投資をするのはとても危険なことです。
この分野を学ぶことで、各金融商品の特性を理解することができ、クリエイターをしながらでも自分にあった投資方法が何なのかを判断することができます。
下記の記事では、クリエイター向けの投資について考察しています。
こういった記事も参考にしつつ、無理なく続けられそうな投資方法を考えてみてください。
タックスプランニング
この分野では、所得税、住民税等の各種税金について学ぶことが出来ます。
ある意味、この分野がクリエイターとは一番密接に関わっている分野ではないでしょうか。
フリーランスのクリエイターであれば確定申告をするでしょうが、意味を完全に理解して作成している方はどれくらいいるでしょうか。
税を体系的に学ぶことで、税金はどの様に計算されているのか、どういったものが控除されるのか等を理解することができます。
今まで税理士に確定申告を丸投げしていたクリエイターも、少しでも税金の理解が深まることで、節税意識も芽生えるのではないでしょうか。
また、税金分野はそれぞれの分野に横断的に関わりがあります。
例えば、「事業収入と有価証券による収入では、税金の計算に際し、どの様に扱いが違うのか」、「保険でいくらの控除を受けられるのか」という具合です。
税金分野を理解しておくと、他の分野の理解も深まりますので、優先的に学ぶことをお勧めします。
不動産、相続・事業継承
この2つの分野については、比較的富裕層向けかつクリエイターならではの要素が特段思いつかなかったので、まとめて簡単にご紹介します。
不動産分野では「不動産取引、賃貸等」を、相続・事業継承分野では「贈与、相続等」について学ぶことが出来ます。
家の選択や、相続・贈与というのは、ライフイベントの中でも特に大きなイベントであり、ライフプランを立てる際に、避けては通れないものです。
いつ、どうすべきかを考えるためには、こういった基本的な知識を持っていることが重要です。
仕事の合間に無理のない範囲で学ぼう
お金の勉強の入門編として、金融庁の教材と、FPのテキストをご紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
ここでご注意いただきたいのは、FP資格の取得を目的にしないことです。
勉強した結果、FPに興味を持ち、副次的に取得するのは構いませんが、資格取得を目的にすると、試験用の勉強になってしまい、意味がありません。
クリエイターは作品づくりで忙しいため、なかなか勉強する時間というのも取れないかもしれませんが、作業の合間の休憩時間などにパラパラと読んでみるところから始めてみましょう。
全部でなくても、自分が関心のある分野からでも結構です。
はじめは断片的な理解しかできないかもしれませんが、読んでいるうちに点と点が線で繋がるような感覚があります。
そうやって得た知識を日常生活の中で照らし合わせながら活用していきましょう。
クリエイターであれば、イメージを具体化することは得意なはずです。
知識を活用していく中で、あなたの金融リテラシーはきっと一段階上に上がっているでしょう。
学んだことを生活の中で実際に使っていくのが大切なんですね。