見落としがちだけど重要!出口戦略について解説

涼香

新NISAで投資をはじめてみたものの、いつかは現金化するんですよね。

涼香

最後はどうすればいいんでしょう?

兎月

新NISA開始に伴い、とりあえず投資を始めてみた人は多いですが、終わり方まで考えている方はあまりいないのではないでしょうか。

兎月

投資は将来使うお金を増やすために行っていますので、いつかは現金化しなければなりません。

兎月

今回は投資の出口戦略について考えていきます。

  • 出口戦略の重要性
  • 出口戦略の初動時期
  • 取り崩し方法
目次

出口戦略の重要性

新NISAの開始をきっかけに巷ではどの様に投資を始めれば良いのかという情報に溢れており、投資初心者の方はそういった情報を必死に調べることが多いと思います。

一方で、投資の終わり、つまり出口戦略の情報というのはあまり注目されません。
しかし、投資は将来の目的のために行うものですから、いつかは終わりを告げ、投資で増やしたお金を使うフェーズが来ます。
その時、出口戦略を定めず必要な時に慌てて、売却してしまっては、せっかく計画的に運用したお金を無駄にしてしまう可能性があります。

まだまだ先のことだからと先延ばしにせず、投資を始めた時点で、出口戦略の大まかなビジョンを描いておくことは投資戦略上、非常に重要です。

涼香

始めるのに必死で、終わりのことはあまり考えていませんでした…。

初動時期について

出口戦略を考えるにあたり、出口に向かう初動時期はいつ頃になるのでしょうか。
人生を現役期、退職期前後、高齢期の3つのライフステージで考えたとき、出口を意識し始めるのは年金を受給し始める退職期前後となる方が多くなります。

会社員、フリーランス問わず、クリエイターであれば老後も自宅で比較的働き続ける方も多いと思いますので、一般的な社会人の様に退職した瞬間、収入が途絶え、年金収入のみというのは少ないはずです。
しかし、年を取れば取るほど、現役期程の仕事量をこなし、収入を維持し続けるのは心身ともに厳しくなってきますので、現役期に比べ、収支の収入割合が下がるケースが多いのではないでしょうか。
しかし、生活費は変わりませんので、年金収入とクリエイター収入で生活費が賄えないのであれば、これまでに積立てきた資金の取り崩しをしていくことになります。

そのため、出口戦略を考えるうえで、退職期前後をターニングポイントとして意識しておくと良いでしょう。

涼香

いつ頃から取り崩すのかわかっていれば必要な金額の目途も立ちますね。

売却方法について

退職期前後で取り崩しを意識し始めることはわかりました。
それでは今まで運用してきた資産を取り崩す場合、どの様に売却すれば良いのでしょうか。
売却するとなった場合、選択肢としては、一括売却か定期売却の2択となります。
それぞれについて比較していきます。

一括売却の場合、リスク資産を一気にすべて手放すことになりますので、今後、価格変動リスクに晒されることは無くなります。
しかし、相場の状況により売却額が高くも安くもなります。
お金が必要な時の相場が良いとは限りませんので、安値で売却せざるを得ない場合があります。
また、インフレにより現金の価値が目減りしていく可能性もあります。

定期売却の場合、少しずつリスク資産を売却して現金化していきますので、一括売却と異なり、相場の状況を気にせず、売却額を平準化できます。
また、リスク資産を運用しつつ取り崩していくことになりますので、資産寿命を延ばすことが出来ますし、インフレリスクにも対応できます。

この様に比較してみると、定期売却をしていった方が良さそうです。
実際、金融審議会でも計画的に取り崩していくことが推奨されています。

すでに長期・積立・分散投資を現役期より行っている場合は、それを続けられるうちは続け、その後は計画的に資産を取り崩していくことが有効である。

引用|金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」
涼香

ドルコスト法で積み立てるのと同じように、少しずつ取り崩すのが良いのですね。

定額取り崩しと定率取り崩し

定期取り崩しが良いことがわかりましたが、それではどの程度の頻度でいくらずつ取り崩せば良いのでしょうか。
定期取り崩しの方法には、定額取り崩し定率取り崩しがあります。
以下の条件で運用、取り崩しをした場合のシミュレーション結果を示します。

  • 65歳時点の資産2,000万
  • 2か月に1回取り崩し
  • 利回り3%
  • 定額:隔月22万ずつ取り崩し、定率:隔月1%(年6%)ずつ取り崩し
年齢取崩額(定額)資産残額(定額)取崩額(定率)資産残額(定率)
652,0002,000
70221,613171,718
75221,163151,477
8022641131,269
852235111,090
三井住友DSアセットマネジメント「人生100年時代の資産設計シミュレーション」より試算

比較すると、定額では85歳で資産がほとんど尽きますが、定率では1,000万以上の資産が残っています。
定率取り崩しを行うと、資産寿命を延命できることがわかります。
年金額やクリエイター報酬の有無等、人により老後の収入は異なりますので、一概には言えませんが、基本は定率で取り崩すことで出来る限り資産寿命を延ばし、取り崩し額が小さくなってきた時から定額取り崩しにシフトしていくのが合理的ではないかと思います。

涼香

積立は定額で、取り崩しは定率なんですね。

入口だけではなく出口も計画的に

今回は、投資の出口戦略について解説してきました。
皆さん入口にばかり気を取られていますが、実際に使う時である出口も同様に大切です。
頑張って積み立てて運用してきた大事な資産も、いつお金が必要になりそうなのか、必要な時にどの様に取り崩すかわかっていないと、相場の状況が悪い時に一気に売却せざるを得ないようなもったいないことにもなりかねません。
日頃から出口を意識し、いざという時に慌てることなく、計画的に資産形成を進めていきましょう。

涼香

出口戦略考えてみます!

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