クリエイター向けの投資とは?おすすめの方法を考えてみる

涼香

投資には色々な方法がありますが、クリエイター向けっていうのはあるんでしょうか?

兎月

おすすめの投資方法についての情報は巷に溢れていますが、それにクリエイターという職業を加味したうえで、個人的におすすめな投資方法を考えていきます

目次

クリエイター向けの投資とは

近年、つみたてNISA制度の開始や老後2,000万円問題、新型コロナウイルス感染症等をきっかけに、投資に対する関心が高まってきています。
インターネットで「投資 おすすめ」等と調べると、多くのサイトでおすすめの投資方法を紹介されており、投資初心者の方でも気軽に挑戦できる環境が整っています。
しかし、おすすめの投資方法というのは、一律で決められるものではなく、その人の職業や性格、知識等によって異なるものです。

そこで、今回の記事では、クリエイターという職業を加味したうえで、クリエイターに比較的おすすめできるであろう初心者向けの投資方法を考えていきたいと思います

クリエイターという職業の特徴と強み・弱み

クリエイター向けの投資を考えるうえで、まず、クリエイターという仕事の特徴と、強み・弱みを考えていきます。
万人に共通するわけではありませんが、比較的、下記のような傾向があるのではいでしょうか。

特徴強み弱み
創造力や感受性が求められる想像力がある安定した精神状態を要する
PCを使う時間が多い情報を素早く得られる情報に振り回される
仕事中の行動が割と自由(音楽を聴く、動画を見る等)
流行に対するアンテナを張っている
クリエイティブ業界および関係業界の実情に精通している新しい業界情報の正確な理解業界情報の固定観念
フリーランスの割合が一般的な職業よりも高い時間の融通が利く受給できる年金額が低い
勤務時間が幅広いなし
資金に余裕がないなし投資や貯金に少額しか回せない

クリエイター向け投資に求められる要件

それでは、クリエイター向け投資に求められる要件とは何でしょうか。
先ほどの表から考えていきます。

まず、強みというのは、投資におけるクリエイターならではの優位性になります。
この優位性を活かした投資が出来れば、他の投資家との差別化ができます。

問題となるのは、弱みです。
これはクリエイターであるが故の劣位性ですので、この弱点をつぶせる投資方法は何かという点を考えていかねばなりません。
これらの弱点をどの様に解決すれば良いか整理したのが下の表です。

弱み解決策
安定した精神状態を要するできるだけ放置できるものを選択する
情報に振り回される
業界情報の固定観念
投資や貯金に少額しか回せないできるだけ少額からできるものを選択する
節税できるものを選択する
受給できる年金額が低い長期投資を前提としたものを選択する

以上から、下記の5つの要素の有無をベースのおすすめの投資方法を紹介していきます。

  • クリエイターの優位性があるか
  • 放置できるか
  • 少額からできるか
  • 節税効果があるか
  • 年金向けか

クリエイターのおすすめの投資方法

投資信託積立(iDeCo)

要件評価解説
総合評価 (4.0)
クリエイターの優位性はあるか機械的に行うだけ
放置できるか年に数回の見直し程度
少額からできるか月5,000円から可能
節税効果があるか拠出・運用益発生・受給時に節税
年金向けか60歳まで受給できない

個人的に一番おすすめしたいのはiDeCoを活用した投資信託の積立です。
老後2,000万円問題を考えると万人向けですが、下記の記事でも述べている様に、フリーランスの場合、国民年金だけでは老後資金の確保が難しく、何かしらの形で資産形成をする必要があります。

そのため、フリーランスのクリエイターには特に相性が良いと思います。

そもそもiDeCoは年金制度であり、60歳までお金を引き出すことができません。
強制的に長期間、積み立てることになるので、意識せずとも年金を確保できます。
さらに、よく話題になるNISAよりも実はiDeCoの方が節税効果が高いため、税負担を減らし、資金の捻出にもつなげることができます。
年に数回程度は運用状況を見て、必要に応じて見直すことも必要かもしれませんが、基本的には放置したままで問題ありません。

ただし、iDeCoによる投信積立は、機械的に行うだけのため、クリエイターの優位性というのは皆無です。
しかし、投信積立というのは基本的な投資方法のため、まずはこれを押えたうえで、他の投資方法を選択していくのが良いと思います。

投資信託積立(NISA)

要件評価解説
総合評価 (3.6)
クリエイターの優位性はあるか機械的に行うだけ
放置できるか年に数回の見直し程度
少額からできるか月100円から可能
節税効果があるか運用益発生時に節税
年金向けか長期向けだが引き出し自由

すでにやっている方も多いと思いますが、NISAを活用した投信積立もおすすめです。
iDeCoによる投信積立と評価は近しいですが、NISAの方がより自由度が高い制度です。
NISAは、iDeCoよりも更に少額がら投資できることが出来るうえ、引き出しはいつでもできるので、年金用途以外にも利用することができます。
しかし、節税効果は運用益発生時しは適応がないため、iDeCoよりも劣ります。

基本的には、iDeCoとNISAを活用し、長期間投資信託を積み立てるというのが基本的な戦略になります。

投資型クラウドファンディング

要件評価解説
総合評価 (3.2)
クリエイターの優位性はあるか先着順の案件に投資できる
放置できるか入金後は何もできない
少額からできるか10,000円からの案件多数
節税効果があるか雑収入のため超過累進課税
年金向けか数か月のものが多い


馴染みのない方が多いかもしれませんが、投資手段として投資型のクラウドファンディングもおすすめできます。
ここでいうクラウドファンディングは、寄付や商品をもらうものではなく、投資した対価に金銭的な利益を享受するものです。

クラウドファンディングは、株や投資信託等と異なり、値動きがありません。
初めから投資額の何%が還元されるか決まっています。
クリエイターはPCの前に張り付いている時間が長く、仕事中でも情報収集しやすい環境にあるため、株価や経済動向等が気になってしまう人もいるかと思います。
創造性が大事なクリエイターにとって、株価の動きや様々な情報に振り回され、仕事に手がつかなくなっては本末転倒です。
それならば、初めから値動きのない、クラウドファンディングに投資していれば、このような心配はありません。

また近年は、投資型クラウドファンディングの人気も上がってきており、先着順の人気案件では数分で埋まってしまうことも多々あります。
出先でスマホからアクセスしようとしても、間に合わないことが多いですが、クリエイターならば比較的、PCからアクセスできる機会が多いため、人気案件についても投資できる可能性が高いです。

案件にもよりますが、10,000円程度から投資できる案件も多く、ハードルは低めです。
ただし、雑収入扱いになり、節税効果はありません。
また、数か月程度の投資期間が短めの案件が多いため、年金対策というよりも短中期的な資産形成に向いた手法です。

米国債(ストリップス債)

要件評価解説
総合評価 (3.4)
クリエイターの優位性はあるか誰が投資しても同じ
放置できるか償還まで持つなら放置可
少額からできるかレート次第で数千円から可
節税効果があるか利子がない分節税効果あり
年金向けか償還時期を合わせれば

債券は途中で売買せず、償還まで持ち続けていれば、決まった利子が支払われます。
つまり、クラウドファンディング同様、利回りが確定しているということです。
そのため、日々の値動きに振り回される必要がなく、作品づくりに注力できます。
米国債には様々な期間のものが売買されていますが、残存期間を年金受給時期に合わせれば、年金代わりに活用することも可能です。

日本国債は利回りが低すぎるため、2023年現在、投資しても旨味がほとんどありません。
為替レートも考慮しなければなりませんが、安全性等も加味すると、米国債を選択するのがベターでしょう。

なお、債券には利子を定期的に受け取れる利付債と、利子がもらえない代わりに、その分割引がされている割引債(ストリップス債・ゼロクーポン債)があります。
米国債は通常100米ドル単位で取引が行われますが、ストリップス債は利子がない分、割引率が高く、数千円程度あれば購入が可能です。
また利子を受け取ると、その度税金が掛かりますが、ストリップス債は、利子の受け取りがないため、売買をしなければ、償還時まで税金が掛からず、一定の節税効果があります。

ただし、米国という信頼性の高い国への投資であり、クラウドファンディングの様に先着順ということもないので、誰が投資しても差が出辛く、クリエイターの優位性というものは特にありません。
また、ドルで購入することになりますので、最終的な利回りは、為替レートに左右されますので注意が必要です。

個別株(関係業界株)

要件評価解説
総合評価 (3.0)
クリエイターの優位性はあるか業界知識や情報収集が有利
放置できるか値動きが激しい
少額からできるか数万から数十万程度必要
節税効果があるか翌年度に損を繰り越せる
年金向けか長期的に成長し続ける会社は少ない

自分が働いている業界であれば、当然一般の人よりも詳しいはずです。
そういったアドバンテージを活かし、個別株を買ってみるのも一つの手段です。
会社の発表がどういう意味があるのかを他の人よりもより適切に判断できるでしょうし、その見通しも予想がつきやすいはずです。

クリエイターに関係のありそうな会社は多くあります。
例えば、イラストレーターならワコムやセルシス、ゲームクリエイターならソニーや任天堂、画像素材を販売しているならピクスタ、配信者ならモイやUUUMなどです。
他にも探してみるとまだまだあるでしょう。

ただし、自分に関係のある銘柄だからといって、惚れこんでしまうと、適切な判断ができなくなる場合もあります。
割り切れる方には個別株はおすすめできますが、そうでない方は手を出さない方がよいでしょう。

株は、投資信託に比べ、値動きが激しいです。
そのため、個々の銘柄の状況を定期的に観察する必要があり、情報収集や分析、将来の見通しを予想したり等、手間が掛かるため、放置することは難しいです。
また、銘柄によりますが、最低単元を購入するだけでも数万円程度かかり、分散投資のため複数銘柄買うとすると、ある程度の元手が必要です。
株の売買の結果、損が発生した場合、確定申告することで損を繰り越すことができ、翌年の利益と相殺ができます。
損しないに越したことはありませんが、一定の節税効果があると言えます。

なお、投資の基本は長期投資ですが、現実問題、同じ銘柄が長期的に成長し続けるのは難しく、配当も今後出続けるという保証もないため、年金受給まで持ち続けられる銘柄を探すのは思っている以上に難しいです。
個別株については、中期投資から始めるのが取り組みやすいのではないでしょうか。

まとめ

クリエイター向けの投資方法を考えてみましたが、いかがだったでしょうか。
NISAの様な定番のものもありましたが、クラウドファンディングなんかは馴染みのない方も多かったのではないでしょうか。
現在は、多種多様な投資方法がありますが、人によって合う合わないが当然あります。
今回の記事だけを鵜吞みにせず、少額からまずは試してみて、自分に合った投資方法を模索していくことが大切です。

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