資産形成をすると決意したものの…まずは何から手をつければいいんでしょう?
よく聞くiDeCoとかNISAを始めればいいのかな…?
ちょっと待った!
その前にやらなきゃいけないことがあるから、今回はまず最初に何をすればいいか見ていきましょう
最初にやること
資産形成をするにあたって、最初にやることはiDeCoでもNISAでもありません。
家計の把握です!
家計の把握をしないまま運用を始めたところで、それは穴の開いたバケツに水を入れているのと変わりません。
まずは収支を確認しましょう。
なぜ家計を把握しなければならないか
確かにiDeCoやNISAの様な制度を活用し投資することは、資産形成につながる有効な手段の一つですが、家計の見直しをせずに投資等に手を出してしまうと、必要なお金が必要な時に確保できなくなる場合があります。
生活防衛資金の確保
急な怪我や病気等で、一時的に働くことが出来ず、収入が途絶えてしまうことがあります。
そう言った際、一定程度の現金を確保しておくことが必要不可欠です。
どれだけ用意しておけば良いかは働き方や年齢、家族構成等により、人それぞれで一概には言えませんが、独身や夫婦であれば3~6か月分程度、子育て世帯であれば6~12か月が一つの目安かと思います。
生活防衛資金は、有事の際の保険となる資金ですので、「すぐに引き出すことが出来る」、「リスク資産にしない」必要があります。
投資は少なからずリスクを伴うものであるため、余裕資金で行わなければなりません。
そのため、まずは家計を把握し、家計を見直し、生活防衛金を確保したうえで初めて投資に手を付けるべきです。
借入金の返済
原則、借入金がある場合は、投資よりも返済を優先しましょう。
借入金があると、支払いの利息分だけ無駄な支出になってしまいます。
また、返済が滞ると信用情報にも悪影響を与えます。
一括で返すのはなかなか難しいと思いますが、返済計画を立てて優先的に返済するようにしましょう。
ただし、例外もあります。
この記事では深く触れませんが、借入金の金利以上の運用利回りが見込める場合は、あえて返済しないという選択肢もありです。
しかし、これはある程度投資経験のある方向けの考えですので、これから投資を始めてみようという方は、原則通り、借入金の返済からしていくことをお勧めします。
黒字なのに赤字
これだけでは意味が解らないと思うので、とりあえず具体例を見ていきましょう。
Aさんは、将来のために、iDeCoで積み立てをすることにしました。
Aさんの月収は20万円で、貯金は100万円あります。
月々の積立額は、とりあえず5万円に設定しました。
運用して1年間、運用成績を見たら積み立てた5万円×12か月=60万円が年10%で運用出来ており、66万円になっていました。
総資産を計算してみると、1年前は100万円しかなかったのに今は130万円になっていました。
これにはAさんも大喜び。
ところがAさんは気づきました。
なぜか貯金が64万円しかありません。
さて、Aさんの貯金はどこへ行ったのでしょうか…?
家計の把握をせずに投資を始めてしまうと、このように「黒字なのに赤字」という不思議なことになるケースがあります。
これは、月々の収入で生活費は賄えているのに、余ったお金以上を積立に回してしまうことで発生します。
後だしになりますが、上記の例では、Aさんの毎月の生活費は、18万円という設定です。
続きを見ていきましょう。
Aさんの月の収入は、月20万円、生活費は18万円です。
つまり、月々の余剰資金は2万円です。
しかしAさんは、生活費を把握せず、iDeCoに月5万円の設定をしてしまいました。
そのため、毎月余った2万円+貯金から3万円の計5万円がiDeCoの口座に移ることになります。
年間にすると、貯金から3万円×12か月=36万円が減っていくことになります。
つまり、資産全体としては黒字なのに、現金は赤字という現象が発生してしまいました。
この例が更に悲惨なのは、iDeCoで積み立てたお金は、原則60歳以上にならないと引き出すことが出来ないということです。
将来のために積立は確かに大事なのですが、あくまで余裕資金で行うのであって、現在の生活を圧迫してしまっては本末転倒です。
無理のない範囲で積み立てていくには、いくら余剰資金があり、投資に回して大丈夫なのかを理解する必要があります。
そのためには家計の把握が不可欠です。
固定費を減らすのはノーリスク
優れた運用は、リスクをいかに抑え、高い利回りを得るかです。
では、ノーリスクでお金が増やせればそれは最高の運用ではないでしょうか。
資産づくりは資産運用等で収入を増やすことだけではありません。
出ていくお金を減らすことも資産づくりの方法のひとつです。
個人的には、固定費を減らすということは、ノーリスクの運用みたいなものだと思っています。
それに投資でお金を増やすことよりも支出を減らす方が簡単です。
具体的に説明します。
年金は、年金積立金管理運用独立行政法人(通称GPIF)で運用されていますが、この利回りがどのくらいか知ってますか?
正解は、2001年度から2021年度の21年間で、年率3.78%です。
もちろんこれ以上の利回りの年もあればマイナスの年もありますが、ある程度安定した運用をするとなると、この利回りが参考指標になります。
例として、この利回りで1年間で10万円の利益を出したいならば、元手として、約265万円を用意しなければなりません。
まず投資用の余剰資金として265万円もの大金をポンと出すのは大変ですし、しかも、投資に確実はありません。
見込んでいた利回りを上回る可能性もありますが、当然下回る可能性もあります。
では一方で、年間10万円の支出を減らすとしたらどうでしょうか。
月当たりで換算すると、約8,333円減らせば達成できます。
保険やスマホ、サブスク等の固定費を見直せば、月8,333円の支出を減らすことは、わりと現実的だと思いませんか?
しかも、投資の様な不確実性はなく、ノーリスクで永続的に年10万円のお金を生み出せます。
今30歳だとして、60歳まで続ければ300万になります。
ノーリスクでできることからやっていきましょう。
家計の把握は超重要
以上のように、家計の把握は超重要ということがお分かりいただけたかと思います。
投資を始める前には家計の把握をしっかりと行い、見直すことが重要です。
家計の把握、見直しを行うことで、無駄な支出を減らし、生活防衛資金や投資資金の確保を最優先にしましょう。
また、ライフステージによって、支出や収入は変わります。
そのため、家計の見直しは一度行えば終わりではなく、定期的に見直すことが必要です。
その時に最適な家計のあり方を常に意識しましょう。
家計を把握してようやく資産形成のスタートラインです。
クリエイターならば基本が大事なことは十分お分かりかと思います。
将来のため、焦らず順番に一緒に考えていきましょう。