そろそろパソコンを買い替えようと思うけれど…。
イラストレーター向けのパソコンってどんなの選べばいいんでしょう?
できればお得に買えると嬉しいですが。。。
イラストレーターにとってパソコンは必需品ですから、出来るだけ良いものを長く、お得に買いたいですよね。
今回はイラストレーター向けのパソコンの選び方をスペックと節税の観点から解説していきます。
イラストレーターの必需品
デジタルで描くイラストレーターにとってはパソコンは必須アイテムです。
しかし、どの程度のスペックが必要なのかは案外把握できていないものです。
使うソフトにも寄りますが、正しいスペックのものを選ばないと作業効率が下がってしまいますよね。
また、高い買い物なので、できるだけ長くお得に使いたいと思います。
そこで今回は、「イラストレーターならばどの程度のスペックのパソコンを用意すべきなのか」、「どの様に節税し、お得に買うか」の2点にフォーカスを当てていきたいと思います。
節税…?
予算と節税
パソコンを買うとなった際、まずはどの程度のスペックが必要か考えると思いますが、このサイトはお金について考えるサイトですので、今回はスペックの前に予算を決めましょう。
予算設定にあたり、実は上手く制度を使えば節税に繋げることができます。
減価償却
一般的に事業のために購入した10万円を超える高額な備品等の資産は、法で定められた耐用年数に応じて、分割して経費として計上していきます。
これを減価償却といいます。
今回のテーマのパソコンの法定耐用年数は4年ですので、通常は、買った年に全額経費とするのではなく、4年かけて経費にしていくことになります。
しかし、これは原則であり、例外があります。
それは、少額減価償却資産と一括償却資産です。
下表は、価格毎に償却資産の分類をしたものです。
価格 | 消耗品 | 減価償却資産 | 一括償却資産 | 少額減価償却資産 |
---|---|---|---|---|
10万円未満 | ||||
10~20万円未満 | ||||
20~30万円未満 | ||||
30万円以上 |
それぞれについて確認していきましょう。
一括償却資産
10~20万円未満の資産は、一括償却資産として扱うことが出来ます。
一括償却資産の場合、3年で償却することができます。
パソコンの場合は通常4年償却でしたが、3年で償却することができるので、通常の減価償却資産と比較し、1年あたりの節税効果が大きくなります。
少額減価償却資産
10~30万円未満の資産は、少額償却資産として扱うことが出来ます。
少額減価償却資産の場合、1年で全額を償却することができます。
パソコンの場合は通常4年償却でしたが、1年で償却することができるので、通常の減価償却資産や一括償却資産と比較し、1年あたりの節税効果がより大きくなります。
ただし、青色申告をしていることが必要です。
また、年間300万円までしか使用できません。
どの資産として扱うべきか
どの資産として扱うのが良いのかは所得にもよるため一概には言えません。
その年の売上がとても大きいならば経費を大きくして納税額を抑えたほうが良いでしょうし、あまり売上がないのであれば、必要以上に単年で経費を掛ける必要もありません。
ただし、制度を有効活用するならば、予算を19万9,999円または29万9,999円に抑える必要があります。
そこで今回は、2つの予算で構成案を考えていきます。
値段によって使える制度が違うんですね。
推奨スペック
イラストレーターが利用することが多いであろうソフトウェアの推奨スペックをまとめたのが下記です。
最低限、下記のスペックは満たしている必要があります。
構成 | CLIP STUDIO PAINT | Photoshop | illustrator |
---|---|---|---|
OS | Microsoft Windows 64bit 日本語オペレーティングシステム Windows 10 Windows 11 | Windows 10 64 ビット(バージョン 22H2)以降 | Windows 11 v22H2 Windows 11 v21H2 Windows 10 v22H2 Windows 10 v21H2 Windows Server 2022、2019 |
CPU | SSE2に対応したIntel、AMD製CPU | 64 ビットをサポートしている Intel® または AMD マルチコアプロセッサー(SSE 4.2 以降の 2 GHz 以上のプロセッサー) | Intel マルチコアプロセッサー(64 ビットサポートを含む)SSE 4.2 以降 または AMD Athlon 64 processor には SSE 4.2 以降がインストールされています。 |
GPU | OpenGL 2.1に対応したGPU | DirectX 12(機能レベル 12_0 以降)をサポートしている GPU 4K 以上のディスプレイの場合は 4 GB の GPU メモリ | 1 GB 以上の VRAM(4 GB を推奨)がある OpenGL バージョン 4.0 以上をサポートしている |
メモリ | 8GB以上 | 16 GB 以上 | 16 GB 以上 |
あくまで推奨スペックですので、これだけあれば満足できるというものではありません。
そこで、自分の現在のパソコンのスペックを加味しつつ、予算29万9,999円と19万9,999円でドスパラで試しにカスタマイズしてみた構成が下記です。
※令和6年2月現在
OS | windows11 Home 64ビット | windows11 Home 64ビット |
CPU | Intel Core i7 | Intel Core i5 |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 4070 | NVIDIA GeForce RTX 4060 |
メモリ | 32GB | 32GB |
SSD | 1TB | 500GB |
HDD | 4TB×2 | 4TB×2 |
電源 | 850W 80PLUS GOLD | 750W 80PLUS GOLD |
合計金額 | 295,580円 | 196,080円 |
10万違うと1ランクグレードダウンする感じですが、イラスト制作にあたっては、メモリが最優先だと思いますので、どちらも32GBに統一しています。
右の20万未満のPCはCPUがCorei5なので少し物足りなさを感じるかもしれませんが、クリスタを普通に使う分にはそれほどストレスなく5年くらいは使えるのではないかと思います。
しかし、Adobe製品やクリスタの3Dモデル等を使う場合は、予算30万未満の左のPC程度のスペックは必要なのではないかと個人的には感じます。
あと、電源とストレージには、ある程度お金を掛けたほうが良いと思います。
作業している最中に電源→HDDお亡くなりのコンボが決まると絶望感がすごいです。
HDDはバックアップを取って、リスクを分散しましょう。
実体験として痛い思いをしたことがあるので、電源はちょっと良いものを買い、HDDはミラーリングしています。
コストも意識しつつ長く良いものを使おう
今回はイラストレーター向けのパソコンの選び方について、節税とスペックの観点から説明してきましたがいかがだったでしょうか。
イラストレーターにとってパソコンは、作業効率に直結する仕事道具です。
安物買いの銭失いにならぬよう、必要なスペックを十分理解し、購入する様にしましょう。
しかし、性能を突き詰めるとコストは青天井になってしまいます。
スペックと価格のバランスを考えつつ、制度も上手く活用しながら節税し、良い物を買う様にしましょう。
制度を使える予算で必要なスペックを満たせるかよく調べてみます!