クリエイターは身体が資本!健診・人間ドックを積極的に受診しよう

涼香

会社員なら年に1回定期健診がありますが、フリーランスだと自発的に動かないとなかなか健診を受ける機会なさそうですよね。

涼香

クリエイターは不規則な生活になりがちですが、やはり受けたほうがいいんでしょうか?

兎月

会社員時代は会社が勝手に手配してくれましたが、フリーランスだとなかなかそうもいきません。

兎月

しかし、健診を受診するのは超重要です。

兎月

私はFPのほかに臨床検査技師の資格を保有していますので、今回はそれぞれの視点から健診の必要性について解説していきます。

  • 健診とライフプランの関係
  • 受診方法
  • 受けておいた方が良い検査項目
  • 税務上の扱い
目次

健診のススメ

クリエイターの皆さん、最後に健康診断受けたのはいつですか?
会社員の方であれば年に1回最低限は受診していると思いますが、フリーランスの方であれば、しばらくやってないという方も多いのではないでしょうか。

クリエイターの仕事をしていると、どうしても長時間パソコンの前に座りっぱなしで、運動不足になりがちです。
また、納期が近ければ夜も寝ずに作業して、小腹が空いたら夜食を食べ、朝になったら寝るという生活をしている方もいるでしょう。

自分でコントロールしないと不摂生な生活になりがちですが、クリエイターの仕事は身体が資本です。
体調を崩してしまったら、仕事をセーブせざるを得ず、収入にも影響が出てしまいます。
そのため、年に1回は自分の身体の状況を確認するために、健診、できれば人間ドックを受けることが大切です。
今回は、健診・人間ドックの活用について解説していきます。

健診と人間ドックどっち?

そもそもですが、一般的な健康診断と人間ドックは何が違うのでしょうか。
どちらも病気の早期発見という点では共通ですが、検査項目が人間ドックの方が圧倒的に多いです。
また人間ドックは、医師からのフィードバックもその場で受けられます。
一方で、健康診断は一般的に後日郵送で結果が届くだけです。

健康診断で見つからなかった病気が人間ドックで見つかるということもありますので、可能であれば、人間ドックを毎年受けるのが望ましいです。
ただし、人間ドックは、時間もお金も健康診断に比べて掛かります。
「どうしても都合がつかない」、「毎年は金銭的に的に厳しい」というのであれば、人間ドックを軸にしつつ、健診を代替手段として活用していく形になるのではないでしょうか。

涼香

できれば人間ドックを毎年受けたいですね。

健康とライフプランの関係

以前、別記事でライフプランを作る方法を解説をしました。

当たり前ですが、ライフプランを立てるにあたって、「○年にがんになる」、「○歳で糖尿病発症」という予定は普通立てません。
そのため、基本的には、健康であることを前提にライフプランを作り、収入や支出の資金計画を立てていきます。

しかし、急に大きな病気が発覚した場合、ライフプランの見直しが必要になってきます。
治療のために仕事をやめざるを得ず収入減、通院や入院による医療費で支出増、治療費捻出のため、資産の切り崩しやライフイベントの見送り等、資金計画にも大きな影響があります。
ですが、軽度なうちに早期発見できていれば、重篤化させずに完治したり、仕事を続けながら治療を続けたりとライフプランへの影響を軽微にできる可能性があります。
結果的に、QOL(クオリティ・オブ・ライフ、ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた「生活の質」のこと)にも雲泥の差が出てきます。

このように、健康とライフプランには密接な関係があります。
自分が目指すライフプラン実現のため、健診を受けるということは重要なファクターとなります。

涼香

病気になるとライフプランにも影響が出てしまうんですね。

健診の受診方法

ここからは、健診を自分で受けに行ったことがないという方向けに、どの様な受診方法があるのか説明していきます。

健康保険組合

もしあなたが文美国保の様な健康保険組合に加入しているならば、まずはそこの事業内容を確認してみましょう。
提携している病院でお得に健診や人間ドックを受診できたり、給付を受けられる可能性があります。

下表は、文美国保が疾病予防として実施している事業の給付内容をまとめたものです。
なお、当該記事執筆時時点のものになりますので、必ず最新の情報をご確認ください。

メニュー年齢費用備考
人間ドック75歳未満組合員:
23,000円以内
(※満50歳は34,000円)
家族:
18,000円以内
・被保険者証記載の資格取得年月日より 1 年以上継続の方。
・胃部レントゲン又は胃カメラを含む総合精密健康診断、脳ドック、PET 検査のいずれか。
・受診時に東京都在住の方については、補助額に 4,000 円まで増額して助成。
・受診した年度末時点で 40 歳以上の方、かつ特定健診項目の結果(コピー)をご提出いただいた方には、10,000 円まで増額して助成。
特定健康診査・
特定保健指導
40~74歳15,000 円以内・特定保健指導(特定健康診査の結果、特定保健指導が必要な方)
動機付け支援 28,000 円以内
積極的支援 39,000 円以内
健康診断75 歳以上特例組合員 :12,000 円以内
引用:文芸美術国民健康保険組合とは|事業内容

文美国保については別記事にて解説していますので、興味のある方はこちらの記事をご覧ください。

区市町村

健康保険組合に加入していない場合は、お住いの区市町村が提供している健診メニューを確認してみましょう。
自治体により差異はありますが、基本的な血液検査や尿検査から各種がん検診等、無料~数千円程度で受診できます。
せっかく皆さんが支払った税金で提供されているサービスなので有効活用しましょう。

病院・クリニック

健康保険組合や区市町村で受診できない場合は、病院やクリニックで直接受診することになります。
補助などがないと費用は少し高額になりますが、場所を指定されることがないため、自分が行きやすい近場の病院で受けられるというメリットがあります。

涼香

制度を有効活用してできるだけお得に受けたいですね。

検査項目

いざ検査するとなった際、そもそも何をすれば良いのでしょうか。
何の検査をすべきかは年齢や性別、家族歴、持病等によるので人それぞれですが、個人的にこれは受けておいた方が良いのではないかというものをご紹介します。

必須検査項目

一般的な会社員の方については、年に一回、定期検診をしますが、その検査項目は法令で定められています
これに準ずる形で、最低限これらの項目は検査すべきでしょう。

労働安全衛生規則(昭和四十七年労働省令第三十二号)

(定期健康診断)

第四十四条 事業者は、常時使用する労働者(第四十五条第一項に規定する労働者を除く。)に対し、一年以内ごとに一回、定期に、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。

  既往歴及び業務歴の調査

  自覚症状及び他覚症状の有無の検査

  身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査

  胸部エックス線検査及び喀痰かくたん検査

  血圧の測定

  貧血検査

  肝機能検査

  血中脂質検査

  血糖検査

  尿検査

十一 心電図検査

 第一項第三号、第四号、第六号から第九号まで及び第十一号に掲げる項目については、厚生労働大臣が定める基準に基づき、医師が必要でないと認めるときは、省略することができる。

 第一項の健康診断は、前条、第四十五条の二又は法第六十六条第二項前段の健康診断を受けた者(前条ただし書に規定する書面を提出した者を含む。)については、当該健康診断の実施の日から一年間に限り、その者が受けた当該健康診断の項目に相当する項目を省略して行うことができる。

 第一項第三号に掲げる項目(聴力の検査に限る。)は、四十五歳未満の者(三十五歳及び四十歳の者を除く。)については、同項の規定にかかわらず、医師が適当と認める聴力(千ヘルツ又は四千ヘルツの音に係る聴力を除く。)の検査をもつて代えることができる。

引用:e-GOV法令検索|労働安全衛生規則(昭和四十七年労働省令第三十二号)

推奨検査項目

上記の必須項目は必要最小限ですので、これだけだと正直少々心許無いです。
国立研究開発法人国立がん研究センターが発表しているがん統計では、がん死亡数が多いのは肺、胃、大腸の様です。
そのため、上記の基本的な検査に加え、これらのがん検診は、できる限りやっておいた方が望ましいと個人的には思います。
また、男性であれば前立腺、女性であれば乳房、子宮と言った性別特有のがんもありますので、これらの検査も必要になってくるのではないでしょうか。
前立腺がんは50歳代で発症リスクが上がってくるので、若いうちは受けなくても良いかもしれませんが、子宮頸がん、乳がんについては、若くても発症リスクが高めですので、早めに検査しておいた方が良い様に思えます。

情報機器(旧:VDT)作業健診

何度も述べているとおり、クリエイターの仕事の特徴として、一日中パソコンの前に座り、眼や首、肩等を酷使します。
パソコンなどの情報機器を使う作業を情報機器(旧:VDT(Visual Display Terminals))作業と言われており、厚生労働省により、情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインが定められています。
その中で、「1日に 4 時間以上情報機器作業を行う方で、作業中は常時ディスプレイを注視する、または入力装置を操作する必要がある方」は健診対象とされています。
クリエイターならば大体の方が当てはまるのではないでしょうか。

上記のがんの様に、命に直結する病気ではありませんが、眼や上肢等の不調はクリエイターの職業病と言えなくもありません。
仕事のクオリティや効率にも直結しますので、こういった健診もあるということを知っていただき、必要に応じて受けることを検討してみてください。

なお、VDT作業に伴う肩こりや腰痛等を予防するのに有効なアイテムについては、下記の記事でも紹介していますので、興味のある方は読んでみてください。

涼香

なんでもかんでも受けるとお金も掛かってしまうので、自分で必要な検査を選びながら受けるのが大切なんですね。

兎月

自分の身体の状態をよく知っているかかりつけ医がいるのであれば、どんな検査をした方がいいか相談してみるのも良いですね。

税務上の扱い

こういった健診や人間ドックで掛かったお金は税務上、どういう扱いになるのでしょうか。
基本的には、個人事業主でも法人でも経費にはなりません
基本的にと書いたのは、自分自身が受けた健診は経費になりませんが、従業員を雇い、健診を受けさせた場合は、費用を計上できる場合があるからです。
ただしいくつか条件がありますので、当てはまるかどうかは税理士さんへご相談ください。

また、医療費控除も原則使うことができません

しかし、健康診断等の結果、重大な疾病が発見され、かつ、その診断等に引き続きその疾病の治療を行った場合には、その健康診断等は治療に先立って行われる診察と同様に考えることができますので、その健康診断等のための費用も医療費控除の対象になります。

引用:国税庁タックスアンサー(よくある税の質問)|No.1122 医療費控除の対象となる医療費
涼香

経費にできないのはちょっと痛いです…。

健診を活用して末永くクリエイター生活を続けよう

今回は健診をテーマに解説してきましたがいかがだったでしょうか。
仕事の面でも資産形成の面でも、健康であることが大前提であり、非常に重要なことです。
末永くクリエイターを続けられる様、健診を有効活用し、自身の健康状況を適切に把握する様に努めましょう。

涼香

いつまでも元気でいられるように、積極的に健診受ける様にします!

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